そんなことをしているうちにショーが幕を開けた!!
豪華絢爛な衣装を身にまとい、『エア松田聖子』やポップスに合わせて激しいダンスを繰り広げるオカマたち!!
その細やかで可憐な仕草は女性よりも女性らしく、その瞳の奥には神秘的な憂いが遠目からでも感じられ、オレたちはふと気がつくと……云々!!
しかし、それとは対照的にものすごく不器用な小学生につくらせたようなちゃちな舞台道具がいかにもタイらしい。
いや、これはオカマ達を引き立たせる演出なのではないだろうか……そんなくだらないことを考えているうちに、盛大な拍手の中 舞台は幕を下ろした。
小便をすませたオレ達は角田たちに別れを告げ、帰途につこうとしていた。だがロビーでは観覧客がオカマと写真を撮ろうと揉みくちゃになっている。
と、カメラをオレに押し付けてくる○山。気に入ったオカマのもとにグイグイ押し入っていく……まあ付き合ってやるか!
結局、ニコニコして好意的に撮影に応じるオカマに不覚にも愛らしさを感じてしまい、オレも写真を撮る破目になってしまった。そそくさと帰ろうとしていると、
「オニサン、チップチョーダイ!! 写真トッタ!!」
と、すかさずおねだりしてくる。まあ、ショーも楽しめたわけだし、奮発して100バーツあげちゃお!! と取り出そうとすると、オカマはオレの財布の中に手を伸ばし、500バーツ札をつかもうとしてくる!!
「おい、なんしようとや!!こっちは客やろうが!!はなせって!!」
とっさに怒声を浴びせると、ゴツいバックダンサーの男や、太った汚れ役のオカマ達がすかさず駆け寄ってくる!!
「ミンナデ分ける!! ワタシ オカネ 少ナイ!!」
すると、あろうことかオカマ達がオレの手を放そうと2人がかりで全力を出してきたではないか!!いくら華奢でもやつらは男である。必死の抵抗も空しく、500バーツをもぎ取られてしまった……。なんで入場料と同じ額チップをあげねばならん!!恐喝だっ(泣)!!
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