恐ろしく粗末な作りのトゥクトゥクに乗せられたオレ達はアユタヤの幹線道路を疾走する。平然な顔をして原付を3人で乗り回す女子中学生、ゲリラ集団のように大型車の荷台に20人近く乗り込んでどこかへ向かう農民たち、ハードなグラフィティを全面に施し景観を台無しにしている大型バス、屋台ごと力ずくでチャリで引っ張っていこうとしているおっさん、観光道路付近はまさにバカの無法地帯であった。
ワット・ヤイ・チャイ・モンコンに到着したオレ達は、運転手にすり切れたボロボロの紙カードで簡単に見どころを教えてもらい、境内へ突入!!
すると、売店でコーラと駄菓子を買って出てくる坊さんに遭遇。タイでは坊さんは尊敬の的であり、指さしたり勝手に写真を撮ったりしてはならないということであったので、細心の注意を払いつつ緊張しながら脇を通り過ぎようとするオレ達。が、仔細に観察すると、平気で道にツバを吐き捨てたり、なぜか宗教とはどうリンクさせようもないようなトライバル調のタトゥーを彫っていたりと、なんだか微塵もありがたみを感じさせないのだ。修行が足りん!!
敷地内にひときわ高くそびえるスリランカ様式の大仏塔は、1569年にアユタヤを占領したビルマ王が建てたワット・プー・カオ・トンより高く作ろうとして建立された。だがあと一歩で及ばなかった……らしい。
「あと一歩で及ばなかったって……それってただの設計ミスやろ!!?
それによくみたら塔の先端だけ無理やり伸ばそうとしたようにも見えるし……」
「つーかさ、作りよう途中にもう高さとかどうでもよくなってきたっちゃないと?
『もうダルくね?暑いし!!』みたいな!!」
と勝手な空想にふけるオレ達。最短経路で駐車場に戻った。
「あと一歩及ばなかった」仏塔
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