タイ廃人道中 Part22 ~私と埃(ほこり)と煤(すす)と~


久々の勝利(?)を誇るように存分にヒロイズムに浸りながら上機嫌でトゥクトゥクに乗っていると、突如「な、何ぃー!!」と声を張り上げる○山。見ると、高齢の坊さんが原付の後部座席に悠然と横乗りし、オレ達のそばを駆け抜けて行くではないか!! どう考えても落ちたら怪我では済まない!

「……修行が足りんな。」

「いや、あそこまで来ると、逆にすげーよ……」

オレ達が驚いて見つめていると、「はぁ?なんか悪いとや!!」と言わんばかりに睨みを聞かせてくる!! これがタイの底力なのか…!!? 


道端をゾウにまたがり(エレファント・ライドは何か所にもある)、何が楽しいのかキャッキャとはしゃぐ観光客に罵声(妬み)を浴びせながらトゥクトゥクで疾駆していると、駐車場に到着。すると、性懲りもなくゾウに乗せようとしてくる運転手。

「この遺跡の道のりは相当厳しい。でも、ゾウに乗ったら簡単に攻略できる……。」 

だが、今回はちょっと申し訳なさそうに哀願してくる。しかし、情けは無用である。

「やけん、乗りたくないって言いよろうが!! ウィール ウォーク!!」 

「『ゾウさん』……」 

「なんでそこだけ日本語とや!! だいたい昨日オカマに恐喝されて金無いったい!! ノーマネー!!」

すると、オレ達を上から下までさっと観察して、妙に納得した様子でオレ達を送りだす運転手。ゾウの3分の1の給料で働くタイ人に、オレ達はすっかり「貧乏人」と見なされてしまったようだ……。なんなんだよ、このジレンマはーーっ!! 

ゾウに踏み荒らされた道を得意げに歩きながら、早速境内に入ろうとすると、なにやら検問所のようなところで入場料を払わなければならないらしいことが判明。

「一人50バーツかぁ……。安くならないすか?」 

「なりません!!」 

「じゃ、いっか!!」 

なんの未練もなく立ち去るオレ達に、係員は呆気にとられていたようだ。





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